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神話の構造

6月25日
読了時間: 3分

・ 先日、久しぶりに映画スター・ウォーズの第1作、「エピソード4/新たなる希望」の録画を見ました。この映画を初めて観たのは日本で公開された1978年なので、もう47年も前になります。池袋にサンシャインビルができた年です。この映画は再来年の2027年には公開50周年として劇場で再公開されるそうです。


・ なぜこの映画はこんなにも長い間世界中の人々の関心を引いてきたのでしょうか?有名な話ですが、映画スター・ウォーズについては監督のジョージ・ルーカスが大学でジョゼフ・キャンベルの神話学を学んで感激し、キャンベルの説く、神話における英雄物語の構造を踏まえてストーリーを展開したのだそうです。ジョゼフ・キャンベルは『千の顔をもつ英雄上・下』(人文書院)という本で、多くの神話に出てくる英雄物語には共通するストーリー展開があることを指摘しました。



・ キャンベルが指摘した多くの英雄神話に共通するストーリー展開とは、


1.主人公はあることをきっかけに、非日常の旅に出かけ

2.イニシエーション(通過儀礼)を経て、元の世界に帰還します。

3.その間、彼は天命(calling)を受けてあるコミットメント(責任を負った約束)を行い、それまで住んでいた世界の境界を越えて旅に出かけます。

4.その旅で彼は自分の成長を助けてくれるメンター(guardians)に出会い、

5.一方で、目的達成を妨害する悪魔(demon)と戦い、

6.試練を経て成長(transformation-変容)し、7.遂に課題(姫君を助ける等)を果たして、故郷に帰還します。


・ こうした物語の例としては、スターウォーズ以外にも『ネバ―・エンディング・ストーリー』など数多くの作品があります。これらの物語には人間にとって本質的な何かが含まれています。それはある共通の物語の構造を持っており、それによって私たちのこころにすんなりと受け入れられるのだと思います。それがこれらの映画が長い間世界中の人びとの関心を集めている理由なのだと思います。子供が幼いころに絵本等で読んでもらった物語は、子供の潜在意識に入り込み、その人の人生に影響し続けるでしょう。スター・ウォーズやネバー・エンディング・ストーリーはそうした物語であり、幼いころそれを見て育った世代にとって、それは現代の神話になっていると思います。


・ 共通の構造を持つ物語が神話等として世界中に存在するのは、その淵源が私たちの普遍的無意識にあるからだと思います。なのでそれが映画になったり、物語として語られたりする時、私たちの普遍的無意識にもともと存在する神話的要素と呼応し合って、私たちの心に響いてくるのだと思います。


・ 私たちは英雄ではないかもしれませんが、それぞれの冒険物語をその人なりに生きているのではないでしょうか。そこには英雄物語同様、旅を妨害する敵がいて、私たちはそれと戦う必要があります。しかし、私たちは孤立無援なのではなく、私たちを助けてくれるメンターにも出会えます。そして試練をくぐり抜けるごとに私たちの魂は成長していくことができるでしょう。


・ 大事なことは、この旅には目的があるということです。私たちの使命といってもいいでしょう。つまり、私たちは漫然と目的もなく生きているのではなく、生きる目的があって生きているのだということです。この使命を発見して、それに向かって少しでも進んで行っているという実感が持てれば、人生はむなしいものではなく、生きるに値するものになるのではないでしょうか。

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