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愚者
・ 「数のない愚者」に描かれているのは、杖をついて歩いている人物です。視線は前方の上の方を見ています。足元は見ていません。なので、ちょっと危うい感じがします。 「数のない愚者」 ・ ウェイト版のカードでは名前が「The Fool」となっています。Foolというのは愚者、バカ者という意味です。あるいは、ピエロ、道化を意味します。 ウェイト版「The Fool」 ・ ウェイト版のThe Foolのカードでは、登場人物は崖の淵に立っています。しかし、彼も足元は見ていません。なので、非常に危うい状況です。一歩足を踏み外せば崖の下に落ちてしまうでしょう。 ・ マルセイユ・タロットの「愚者」は物事に頓着しない人物のようです。ズボンにはところどころ破れ目がありますが、彼は気に留めていないようです。彼の後ろには犬がいます。空色なので霊的存在です。霊的存在が彼を後ろから後押ししているのです。でも、彼はそれには気づいていません。 ・ 足元の地面は水で濡れているようで、沼沢地帯のようです。マルセイユ・タロットにゆかりの地である、フランス南西部のラングドック地方も地中海
水野 辰哉
6月30日読了時間: 5分


思考について
・ シュタイナーの『自由の哲学』についての前回の投稿でシュタイナーが「経験や科学は多くの知識を与える。しかしそれらは『なぜそれが真なのか』を自分で支えられない。では、それらすべてを支える基礎となるような『人間本質についての見方』は可能なのか?」と問い、それについてシュタイナーは「思考がすべての認識の基礎となる唯一のものだ。」と語っていることを述べました。これを受けて今日は”思考”について考えてみたいと思います。 ・ シュタイナーが『自由の哲学』において語っているのは結局「思考とは何か?」ということだと思います。それは壮大なテーマであり、短い文章では到底語れないようなテーマだと思いますが、現時点で私に可能な範囲で考えてみたいと思います。 認識とは何か? ・ 「思考が認識の基礎」ということですが、まずは“認識”とは何でしょうか?認識というのは私たちが世界の中からあるものごとをテーマとして取り出してきて、それについて「分かった!」という状態になることだと思います。 ・ その“分かる”という言葉には“分”という字が用いられていますが、これはなぜでしょうか
水野 辰哉
6月30日読了時間: 8分


神話の構造
・ 先日、久しぶりに映画スター・ウォーズの第1作、「エピソード4/新たなる希望」の録画を見ました。この映画を初めて観たのは日本で公開された1978年なので、もう47年も前になります。池袋にサンシャインビルができた年です。この映画は再来年の2027年には公開50周年として劇場で再公開されるそうです。 ・ なぜこの映画はこんなにも長い間世界中の人々の関心を引いてきたのでしょうか?有名な話ですが、映画スター・ウォーズについては監督のジョージ・ルーカスが大学でジョゼフ・キャンベルの神話学を学んで感激し、キャンベルの説く、神話における英雄物語の構造を踏まえてストーリーを展開したのだそうです。ジョゼフ・キャンベルは『千の顔をもつ英雄上・下』(人文書院)という本で、多くの神話に出てくる英雄物語には共通するストーリー展開があることを指摘しました。 ・ キャンベルが指摘した多くの英雄神話に共通するストーリー展開とは、 1.主人公はあることをきっかけに、非日常の旅に出かけ 2.イニシエーション(通過儀礼)を経て、元の世界に帰還します。 3.その間、彼は天命(call
水野 辰哉
6月25日読了時間: 3分


影と向き合う
・ 自分が抱える様々な心の問題を解決するには、自分の影(シャドー)が何であるのかを知り、それとうまく付き合っていくことが必要だと感じています。影はあまり直面したくない存在であることが多いと思いますが、勇気を持ってそれを見つめ、どうしたらその内にこもったエネルギーを上手く解放してあげることができるかを考えてみることが必要だと思います。 ・ そもそも影とは何でしょうか?その前にまず、自我ということについて考えてみたいと思います。河合隼雄先生は「私が私として意識し得ること、それに知覚していること、などのすべてはある程度の統合性を有し、ひとつの人格としてのまとまりをもって存在している。われわれユング派では、このような私の意識の統合性の中心を『自我』と名づけている。つまり、自我は私の意識の主体であり、その中心である。」と述べています(『影の現象学』) ・ しかしながら深層心理学の多くの研究は、その自我がわれわれの心の動きの全てに対して、完全な主体性をもっているものではない」ということを明らかにしてきたのです。つまり、私たちは自分の意識や行動を自分が主体的に
水野 辰哉
6月25日読了時間: 3分


影について
・ ユング派の心理学者として日本を代表する方だった故河合隼雄先生は『影の現象学』(講談社学芸文庫)という本の中で「われわれは常に自分の影の自覚をもって他者に接することが必要であり、・・・・・それはマイナスもプラスも共に含むものである。ただ、厳しい対決と自覚を経ぬときは、それは思いがけぬ破壊的な効果を与えるのである。影の恐ろしさを感じすぎる人は、それとの接触を回避し、影のもつせっかくのプラスの面を引き出すことができない。・・・・・影は『もう一人の私』の存在として自覚されることが多く、私がもう一人の私とどうつきあうか、ということが本書の課題ということができる」と書かれています。 ・ 影は、その名のように自分の背後にあって、普通は自分には見えない存在です。しかし、その存在を無視していいかというと、決してそんなことはありません。影は見えない形で私たちの行動を左右し、私たちの人生を左右しています。自分の人生を本当に生きるためには、この影の存在に気づき、それがどういうものであるかを知ることがとても大事なことに思えます。 ムンク「思春期」 ・ しかし、影はその
水野 辰哉
6月25日読了時間: 3分


マグダラのマリア
・ XVII.「星」のカードに出て来る女性についてはエジプトのイシス神だという説の外に「マグダラのマリア」だという説もあります。 聖書に登場するマグダラのマリアについては様々な伝承があります。彼女はガリラヤ湖沿いのマグダラの出身であることから「マグダラのマリア」と呼ばれたそうです。 彼女は長い髪が特徴です。聖書によれば彼女はイエスが彼女の家に立ち寄った際、旅で疲れたイエスの足を洗った後、自らの長い髪でイエスの足を拭い、香油を塗ったとされています。なので、彼女は手に香油の入った壺を抱えています。 次の写真は以前、南仏のサント・ボームという場所の山の上にあるマグダラのマリアが瞑想したとされる洞窟に行った時、そこのお土産店で買ったマグダラのマリアの像です。 ・ その山のふもとの町、サン・マキシマムに修道院があり、宿泊施設も併設されていました。そこに大聖堂があり地下室にマグダラのマリアの遺物(頭蓋骨)が収められていました。 彼女は山の上の洞窟で33年間瞑想を続け、その際、衣服はつけず長い髪で身体を覆っていたそうです。 ・ XVII.「星」に出て来る女性は
水野 辰哉
6月25日読了時間: 5分


2026年5月 星の運行と内外の政治経済情勢
・ これから毎月1回程度、星の運行から予想される内外の政治経済情勢についてのコメントを投稿していこうと思います。 ・私は現在はリタイアしていますが、働いていた期間の前半15年ほどは日本の銀行で働いていました。最後、4年程は国際審査部というところで、欧米企業への貸出し案件の審査をしていました。その後転職して外資系の格付機関や証券会社でアナリストとして働きました。 ・ アストロロジ―(占星術)に関しては、大沼忠弘先生から基本的な知識を教わりその後は松村潔さんの本を読んだり、講座に参加したりして学んできました。現在は、ユング心理学とアストロロジーを融合させたリズ・グリーンの心理占星学とルドルフ・シュタイナーや弟子のエリーザベト・フレーデの唱えた天智学(アストロゾフィー)を研究しています。過去20年ほどの間メリマンのファイナンシャル・アストロロジーのブログ(MMA Free Weekly Column by Raymond Merriman)を毎週読んでいます。 ・ これらのバックグラウンドをもとに、これから独自の視点で星の動きと内外の政治経済情勢の動き
水野 辰哉
6月23日読了時間: 9分


マルセイユ・タロットの起源
・ マルセイユ・タロットの元になったカードは、15世紀前半に北イタリアで貴族の遊びや賭博に使用されたカードが起源とされています。それが15世紀末にフランス南部のマルセイユに伝わり、17~18世紀においてデザインが洗練されていき、中でもニコラ・コンヴェルが1720年頃に制作したコンヴェル版が現在のマルセイユ・タロットの元型になったとされています。 ・ 以上がマルセイユ・タロットの表面的な歴史ですが、その裏で、マルセイユ・タロットの成立にはカトリック教会が異端として弾圧したキリスト教の一派である、カタリ派の思想が関係する、というような話も聞いたことがあります。カタリ派というのは12世紀から14世紀にかけてフランス南部で栄えた、キリスト教の一派です。徹底的な禁欲主義や精神世界への関心など、神秘主義的な傾向を持っていたとされています。 ・ カタリ派はローマ・カトリック教会からは異端とされ、アルビジョア十字軍によって徹底的に弾圧されました。アルビジョア十字軍というのは、1209年、ローマ教皇インノケンティウス3世がカタリ派(中心都市がアルビであることからア
水野 辰哉
6月23日読了時間: 7分


ロゴスとは?
ヨハネ福音書、冒頭の言葉 ・ 2017年3月4日(土)に出席した高橋先生の講義で、質問してみました。講義の最後に先生が講義の最初の方で、ちらっとおっしゃっていた「物質は言葉である」というのが、どういう意味なのかをお聞きしてみました。さらに「言葉はロゴスである」ということもおっしゃいました。これらは一体、何を意味するのでしょうか。 ・ 先生のお答えは「物質には形式と素材があり、言葉はその形式なのだ。」ということでした。例えば、“我”という言葉がありますが、これは“有れ”ということで、“あ”の命令形であり“存在せよ”ということを表す。この言葉が素材である私の肉体と結びついて、私という存在がある。だから、私という存在は、有れという言葉(形式)が肉体(素材)と結びついた存在なのだということです。そしてこれは同時に神のロゴスでもあります。 ・ 『世界の名著・アリストテレス』「解説」に“ロゴス”や“形式と素材”ということについて次のような説明がありました。「ロゴスはずばり事柄そのものを言っているのだが,しかしこれが実際にあるためには,ロゴスに言われていること
水野 辰哉
6月19日読了時間: 3分
開講の辞
・ 以下の文章は2017年3月4日に”開講の辞”として書いた文章です。 2017年3月4日(土) 開講の辞 ・ 『非現実の王国で』という本のことを最近知りました。これは、世界最長の奇書だそうで著者はヘンリー・ダーガーという人です。彼は1973年に81歳で亡くなったアメリカ人で、生涯を病院の掃除人として過ごしました。『非現実の王国で』は彼が19歳の時から書き始めて、死の半年前まで書き続けた膨大な小説ですが、それは誰かに見せるために書かれたのではありませんでした。彼は生涯独身で、職場の病院と教会のミサに通う他は自宅アパートに引き籠っていました。亡くなる半年前、病気のために救貧院に移った後、アパートの大家が彼の部屋を掃除してこの作品を発見します。 ・ 彼は孤独な生涯を送り、生前は誰も彼の内面について知ることはなかったと思いますが、彼がこの作品を書いたことで、彼はその内面の思いをこの世に残すことができました。彼についてインターネットで探したら「他人とまったくコミュニケーションをとることが出来なかった孤独な老人にとって、この物語の世界こそが自分の存在意義
水野 辰哉
6月18日読了時間: 5分


占星術の起源
2024年2月24日-占星術の起源 時代区分 ・ 今日はクッキーと紅茶を飲みながらぼんやり春分点のことを考えていました。実際に春分点が水瓶座に移り、水瓶座の時代が始まるのがいつからなのか、ということです。私が考えて分ることではないとは思いましたが、私なりに考えてみました。結論としては、分からない、あるいは決められない、ということです。水瓶座への移行が2,813年というのは遠すぎる気がしますし、宝瓶宮占星術の方の唱える1989年というのは根拠が不明です、ということできっとまあその中間のどこかなんでしょうが、それははっきりとは決められない、というのが私の結論です。 エーテル的な境界 ・ どうしてそう考えたかというと、例えば二人の人物が向き合っていたとして、両者の境界はどこか、ということが質問として出されたとして、それに対してどんな答えがあるでしょうか。それに対して、それぞれの人物の肉体的な境界は皮膚なので、それぞれの人物の皮膚がもっとも近い部分の中間線あたりが境界というのが一つの答えになると思います。 しかしながら、シュタイナーに言わせれば人間は肉体
水野 辰哉
6月17日読了時間: 6分
「全ての知識の目的」ー 自由の哲学 初版第1章
この「全ての知識の目的」(Die Ziele alles Wissens)という部分は初版の第1章だった部分ですが、『自由の哲学』の1918年新版では省略されていて、その後半部分だけが付録2として最後に加えられています。高橋先生の訳本ではその省略された部分の全体を再録して全体の冒頭に掲載しています。これは高橋先生がこの部分の全部がとても大事なことを述べていると考えられたからだと思います。 「全ての知識の目的」においては、まず「エネルギーを込めて、あらゆる権威が克服されるだろう。」(Mit Energie wird die Überwindung jeder wie immer gearteten Autorität erstrebt.)と述べられています。そして「価値あるべきものは、その源泉を個人の根に持たねばならない。」(Was gelten soll, muß seinen Ursprung in den Wurzeln der Individualität haben.) とされ、「個人の力が完全に開花するのを妨げるものはすべてはねつけら
水野 辰哉
2024年10月16日読了時間: 8分


物語の創造
タロット・カードの展開を読む(reading)ことは、展開されたカードを通して、クライエント(質問者)とリーダー(助言者)が協力して、そこに何かの物語を創造していくことだと思います。心理療法の中に“箱庭療法”というのがありますが、それと似ているところがあると思います。 箱庭療法というのは「ロンドンの小児科医ローエンフェルトが子どものための心理療法の一手法として考案し、1929年に最初に発表した。それを、ユング派の分析家、ドラ・カルフが発展せしめ、Sand Play Therapy(砂遊び療法)として確立した。」ものだそうです(『イメージの心理学』河合隼雄著 青土社 122ページ)。河合隼雄さんはそれを日本に紹介し、箱庭療法と名づけました。やり方は、箱に砂を入れ、たくさんのミニチュアを用意して、患者にそれで何でも好きなものを作らせるのです。そしてそれを続けていくことで、患者の作る箱庭に変化が表れてきて、それが心理的な病気の治療につながっていく場合があるというものです。 (日本カラーアートセラピー協会(CAT)のYouTubeチャンネルより
水野 辰哉
2024年10月4日読了時間: 6分


アストロロジーと神話
黄道12宮の最初に来るのは牡羊座です。1年の内で昼と夜の長さが同じになるのが春分と秋分ですが、アストロロジーではこのうちの春分の時の太陽の位置を牡羊座の0度と決めています(トロピカル方式。他にサイデリアル方式というのもあります)。今年2024年だとそれは3月20日の12時6分に起こりました(この時、地球が太陽の周りを回る公転軌道上で、1年のうちで地球上の昼と夜の長さがちょうど等しくなる春分点の位置に到達した)。ただし、その時に天空上で太陽の背後にあった星座は牡羊座ではなくて魚座でした。古代のバビロニアで占星術が始まった頃にはこの2つ(サインの牡羊座の0度と実際の星座上の位置)は一致していたと考えられますが、その後、地軸の歳差運動によって春分点が黄道上を移動していったことにより、現在ではこうしたズレが生じています。 最初のサインである牡羊座はいわば赤ん坊のような魂です。まだ人生の経験がなく、生命のエネルギーに満ち溢れています。今、目の前にあることが全てであり、そこに向かって好奇心で突進していきます。危険ということは考えません。何にも染まってい
水野 辰哉
2024年10月3日読了時間: 6分


アストロロジー(占星学)の意義
次の写真は雲を撮ったものです。まるで天使が羽を広げて空に上って行くようにみえました。私たちは、目の前にある景色を見てそこに何か形を発見し、それに意味を与えて、さらにはそこから物語まで作ってしまうことがあります。古代の人々が夜空の星を眺めていて、星と星を線でつないで何かの形を想像し、それらを人や動物の形としてとらえ、さらにそこからそれらの動物や人物にちなんだ神話を生み出しました。 こうしてできた星座のうちから、太陽の通り道である黄道に沿って並んでいる12の星座が選ばれ、黄道12宮(12サイン)と名づけられました。英語ではzodiacと言い、獣帯と訳されますが、これは各サインを構成する星座にいろいろな動物(および人間)が割り当てられているからです。12サインは、牡羊座から始まって順番に牡牛座、双子座、蟹座、獅子座、乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座、水瓶座、魚座と続きます。 星の配置を表す図(ホロスコープ)においては、中心に地球があり、その周りを10個の惑星(アストロロジーでは、太陽と月も惑星としてカウントするので全部で10個になります)が配置
水野 辰哉
2024年9月30日読了時間: 5分
“生命”とは何か?
私はカバラ(ユダヤ神秘思想)について大沼忠弘先生から学びました。1998年当時、池袋の朝日カルチャーセンターで行われていた大沼先生によるダイアン・フォーチュンの『神秘のカバラー』についての講座を受講したのが最初です。 “カバラ”とはユダヤ神秘思想のことで“伝承”を意味します。大沼先生はカバラについて「ヘブライ語でユダヤ教の密教的部分,口から耳に直接伝授された,師資相承の〈口伝〉もしくは〈伝統〉を意味する語で,Kabbala,Cabalaなどとも表記される。」とされています(出所:コトバンク)。 生命の木について松田アフラ氏は「ユダヤ神秘主義カバラにおいては、不可知の超越神と創造された顕現世界との間にひとつの神秘的な関係が措定されていた。カバラの徒によれば、世界の創造とは神の内的世界が外的な現象形態として顕現することに他ならない。そして彼らは、この『創造=神の顕現』のイメージを逆さ吊りにされた樹の形で図示化した。これがカバラの根本図像としての〈生命の樹〉である。カバラの〈生命の樹〉は一般に「セフィラ(複数形はセフィロト)」と呼ばれる10個の球体
水野 辰哉
2024年9月16日読了時間: 5分
自由の哲学-1918年新版への前書き
VORREDE ZUR NEUAUSGABE 1918 私は高橋巌先生訳の『自由の哲学』を既に6回は読んだと思いますが、依然として「分かった!」という感じになりません。しかし、この本が私にとって(そして皆さんにとっても)とても重要な本だという感じはずっとしています。そして、その内容を真に理解することが自分の人生にとってとても大事なことだと確信しています。 そのためには、原文に立ち返ってシュタイナーが何を言っているのかを確かめる必要があると考えました。そのためには、シュタイナーの原文を読むことが必要ですが、私のドイツ語はすっかりさびついてしまっていたので、あらためて勉強しなおす必要がありました。 そこで2年ほど前から林フーゼル美佳子先生のもとで再度ドイツ語を学び始めました。その一環として、ルドルフ・シュタイナーの『自由の哲学』を原文で読む読書会を設けていただきました。最初の読書会日付は2022年11月6日となっています。このブログはその時書いたメモの他に、高橋巌先生と森章吾さんの訳も参考にしながら、私なりに原文をどう理解したかを書いていこう
水野 辰哉
2024年9月11日読了時間: 5分
アンチ・コスモス
今日は、昨日ご紹介したタロットのリーディングに関連して、井筒俊彦先生の『アンチ・コスモス』という講演についてお話したいと思います。この講演については、以前、友達からCDを借りて聞きました。『井筒俊彦全集』第九巻についている附録で、1986年12月13日に井筒先生が天理大学主催の天理国際シンポジウム‘86で公開講演を行った時の収録です。 ギリシャ語にノモスという言葉があり、“規範”を意味します。井筒先生は、宇宙的理法という言い方もされていましたが、それによって宇宙(コスモス)は、全てがきちんと秩序づけられた明るい空間となっており、そこに人々は安らぎを見出します。その秩序構造を支えている規律、規範、あるいは掟、それがノモスありであり、人々はノモスを守って生活している限り安全です。 ところが人間は元来矛盾的存在で、反逆精神を持っています。それであることを「するな!」と言われるとかえってしたくなる。コスモスの中でおとなしくしていれば安全なことは分かっていても、その安全そのものがわずらわしくなってくる。人間にとって、ノモスが束縛し主体性を抑圧するものに
水野 辰哉
2024年8月25日読了時間: 6分


タロット・リーディング
タロット・リーディングでは22枚の大アルカナの中から偶然出て来たカードを一定のルールに従って並べていき、そこに何かストーリーを見つけ出そうとします。 そうやって、クライアント(顧客=問題を抱えた人)とリーダー(タロット・カードの読み手)との間の対話を通して、何かストーリーが浮かび上がって来ると、それがクライアントの抱える問題の解決につながるヒントを与えてくれることがあります。課題解決のヒントが何らかのストーリー(=物語)を通して与えられるのです。 過去に実際あったリーディングの例で説明したいと思います。カードの展開としてはシンプルに4枚だけで終わりました。それは出された質問に対して、物語のように展開し、そこに意味が発見できたように感じました。それはクライアントさんの心にも強い印象を与えたようでした。 クライアントさんの質問は趣味で行っているハンドクラフトについてです。彼女は、場合によってはそれを仕事とすることも考えているとのことでした。 彼女は数年前から、そのハンドクラフトを学ぶためにあるグループに入り、そこで勉強を続けてきました。ところ
水野 辰哉
2024年8月23日読了時間: 7分


コンステレーション(星座)
ユング派の心理学者である故河合隼雄先生がコンステレーションというタイトルで行った京大での最終講義で患者とのコミュニケーションに関して次のようなお話をされていました。コンステレーションとは星座という意味です。conは英語の接頭辞でtogetherとかwithということで共にという意味で、stellaというのは星を意味します。 先生はクライアントが話すことにパッと飛びつくのではなく、フンフンと聴いてできるだけ話を引き出すことが大事だと言っています。それによって全体の状況を見ることが大事なんだと思います。クライアントが抱えている問題はクラインアントの目の前にあって、クライアントにとっては大問題な訳ですが、実はその後ろに隠れた問題がある。それを含めて全体をみなさい、ということなのだと思いました。 具体例として、ある時河合先生の部屋に学生が飛び込んできていきなり「先生は卦を信じますか?」と聞いてきたことがあったそうです。そういう時、大事なのはすぐにそこに焦点を当てるのではなく、その人の状況を全体的に把握できるよう、できるだけ話を聞くということだそうで、
水野 辰哉
2024年8月22日読了時間: 3分
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